羅臼岳の事故について、砂川支部長は厳しい口調で切り出した。

「羅臼の件ね、もう少し早く(出没していた個体を)処理すればこの事件は起きなかったと思います。
車から餌をあげたというのは良くないですね。地元の人は絶対にやらない行為です。
観光客がやってしまうんですよね」

支部長は、クマの生息域に入ることへも警鐘を鳴らす。
その対比として挙げたのが、北海道の電力会社が行っている徹底した安全対策だ。

「北海道電力さんって、送電線の下に行く時はクマ対策で必ずハンターを付けるんですよ。
ルールで決まっていると聞きました。つまりクマが出るという前提で行く訳です。
私から見たら、(一般の)登山客は勇気があるというか、無謀だなと思ってしまいます。
鉄砲なしで山の中に行くのかという話です」

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羅臼岳「ここは戦場だ!」