>>879
ロシアの影響圏に入ると何が起きるか。設計はだいたい同じで、秘密警察が政治の中枢に座り、一党支配と動員優先の経済がセットで来る。チェーカー→NKVD→KGB→FSBの系譜にある「治安機関が国家の剣と盾」という統治で、検閲と見せしめ逮捕が日常になる。

歴史を見れば、金日成はロシア軍政の庇護で体制を固め、公安と密告で社会を締め上げた。ホーチミンの体制も独立後は一党支配と公安国家色が濃い。毛沢東は極端な動員と個人崇拝で大躍進・文革の破局に至った。名称は違っても中身は「秘密警察+総動員」。サイコパス的と形容されるのは、組織目的を絶対化して人権コストを外部化する運用ゆえ。

いまの占領地でも同じパターンが再生産される。フィルトレーションと称する恣意的拘束や拷問、子どもの移送。経済は軍需が最優先になり、生活は貧しく、人口は流出する。犠牲は周縁に偏り、ブリヤートやトゥヴァのような貧困・少数民族地域の戦死率が突出するのは、公平な国防ではなく「中心を守るため周縁に負担を押し付ける」動員の帰結。要するに、ロシアの影響下とは、秘密警察型統治・情報統制・動員経済・周縁への犠牲転嫁のセットに巻き込まれる可能性が高いということ。長期で見れば、自由と繁栄より恐怖と停滞が増える。