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IMFの評価:ロシア経済は2023–24年は軍需と財政出動で伸びたが、2025年の成長見通しは0.9%へ減速(IMF最新更新)。「堅調」というより減速・張り子に近い。中央銀行は金利18%・インフレ6–7%見通しで過熱抑制に必死。国防費はGDPの約8%/歳出の4割に達し、歳出圧力と赤字拡大が課題。

制裁の“副作用で欧州はスタグフレ”は誇張。ECBの2025年見通しは、ユーロ圏インフレ2.0%、実質成長0.9%。失業率は6.2%(2025年7月)で、少なくとも高インフレ+高失業の本格的スタグフレではありません。

「西側が崩壊」も飛躍。確かに仏の総選挙や英の政権交代など政治的流動化はあるが、これは選挙で政権が入れ替わる民主主義の常態。制度が崩れたわけではない。

ロシア経済のリスク面:労働力逼迫(失業率2–2.6%の過熱)、高金利、精製所への攻撃で燃料供給に不安、そして戦時財政の持続可能性。IMFも成長鈍化へ下方修正済み。


結論:「ロシアは絶好調/西側は崩壊」という二元論はデータと合いません。ロシアは短期の耐性は見せた一方、インフレ・財政・供給制約という構造的な重しが増大。欧州は成長は弱いがインフレ収束と雇用の底堅さで「崩壊」とは言えない――これが足元のバランスです。