ウクライナの画期的な出来事は、ドローンが敗北を防いだが勝利を確定させたわけではないことを示している
https://www.defenseone.com/technology/2025/09/ukraines-drone-milestone-shows-drones-prevent-defeat-dont-secure-victory/407846/?oref=d1-featured-river-secondary

 ウクライナのドローン調達の到達点
*2025年1月以降、100万機以上のドローンを前線部隊に供給。年末までに200万機を見込む。
*米国製 Switchblade や Ghost ドローンを含み、NGO・市民からも24年以降で25億ドルの寄付。
*契約手続きの大幅簡略化や、ウェブで前線司令官がメーカーから直接発注できる仕組みを導入。
→ 最短5日で前線に届く。
 戦場での意味
*数の上では画期的だが、ドローンは制空権を奪う兵器ではない。
* 米欧州軍アレクサス・グリンクウィッチ大将「誰も制空権を握っていないことが戦争の特徴」。
*前線は依然「静的」で、ドローン大量投入は優位を削ぐが、決定的勝利をもたらさない。
*技術革新の加速=即勝利ではなく、「優位を奪われにくくする」程度の効果。
 米国・NATOへの影響
*米国防総省はウクライナ式の小規模・高速調達モデルを参考にする方針。
*DIU(国防イノベーション部門)が「Artemisドローン」を18か月で試作完了。
*欧州東側の「抑止ライン」向けにドローン備蓄を進める動き。
 背景となる技術トレンド
*デジタル技術の民主化により「誰でも短期間で安価にドローンを作れる」時代。
*ただし、これは消費者電子機器系に限られる。
→ F-35や次世代爆撃機はスタートアップが1〜2年で作れるものではない。
 戦争の性質の変化
*「迅速な発明・導入」vs「決定的勝利の欠如」という新しい型の戦争。
* 戦場では機動とイノベーションのスピードは増すが、勝敗の決定は遅れる。
* 空の優越は今後も次世代戦闘機・爆撃機(有人+無人)+廉価ドローンの組み合わせに依存。