『吉保の憂鬱』
今日も胃の具合が悪い。全ては水戸の隠居が余計なことをするせいだ。
また代官の不正を暴いたなどと連絡されてもどうしろというのだ。
休まらぬ。今日も朝餉が旨くない。
「申し上げます!水戸の御老公よりの書状に御座います!」
(またか。今度はなんだ。余計なことをするなジジイ)
うむ、ご苦労。さがってよい。
「とある藩にて抜荷が行われていたのを一網打尽にし、」おいおい、また厄介なものを…
「関係者は厳重に処罰するよう藩主に申し伝えた故、寛大なる処置を望む。梅里」
(なんてこった。こんなの上様にどう説明しろというのだ。改易ものだぞ。なんということだジジイ)

などという怪文書を深夜テンションで書きつつ夜が更けてゆく
水戸黄門の一番の被害者は後始末に追われる柳沢吉保ではないか