>>490の続き

 こうした観点で日米双方の協議のうえで選定したプロジェクトは、米国内においては、ラトニック商務長官をヘッドとする米国投資委員会が議論をして
選定をすすめます。 その後に、選定された選択肢をトランプ大統領に示します。
 最終的にどれを米国として進めるかについては、そこで米国大統領が選ぶという流れになります。
だから、トランプ大統領には、「俺が好きに選んで決めれるんだ!」と言うのは、最終段階ではもちろんその通りであり、そう言わせておけばよい話なのです。

 また、「日米の利益配分が1:9というのは、不平等条約だ!」というご指摘もあります。
これについては、例えば米国内に工場を作る場合、彼らは「土地も水も供給します」「エネルギーも提供する」「製品はオフテイク(全量買い取り)」
「規制は任せろ!」と、かなり前のめりです。
それだけの貢献があるという前提での話ですが、それでも合意文書上は、最初のJBICやNEXIによる融資回収は、50対50で日米が折半する事になっています。

その後、それでも利益がある場合は、10対90での配分となります。 そこは申し上げた通り、あくまで貢献分に応じて、という前提だということです。
 ここの部分は、とにかく関税ではこちらが一方的にテイクすることができので、せめて80兆円のところでは、米国がテイクしたように説明できる表現を
採用しないといけませんでした。

 次に、具体的分野ごとのコミットメントについて。添付の文書を見て頂ければ、かなり上手に日本の意図が入れ込まれているとご理解いただけると思います。

 たとえば、「100機のボーイング製航空機の購入」は、日本の航空会社によると、現時点ですでに100機近い購入の計画がありました。
特段、何か新たな大規模の購入計画が必要になるわけではありません。
 コメについては、「ミニマム・アクセス米制度の枠内」なので、輸入総量は何も変わりません。
 防衛装備品については、「防衛力整備計画に基づく」と入れているため、日本が当初計画しているものの範囲で買いますよ、というだけ。

さらには、これから各国に関税をかけると米国が言っている「医薬品及び半導体」については、最恵国待遇まで勝ち取っています。(続く)