米、ガザ戦争などの財政負担が300億ドルを突破──突出したイスラエル支援が反米を招く

米国がガザ戦争および中東地域の関連軍事作戦に費やした総額が、300億ドル(313億~337億ドル)を超えることが、ブラウン大学「戦争のコスト」プロジェクトの最新報告で明らかになった。そのうち217億ドルは、イスラエルへの軍事支援に充てられている。

この報告書は、ハマスが主導した2023年10月の奇襲攻撃から2年を迎えるにあたり発表された。戦争による死傷者の拡大が注目される一方で、米国の納税者が負担するコストはあまり知られていない。


米政権は一貫してイスラエルを支持してきたが、米国世論には変化が見られる。

先週公表されたニューヨーク・タイムズとシエナ大学の合同調査では、「イスラエルにより共感する」と答えた人はハマスの奇襲直後は47%だったが、現在は34%に低下した。一方、「パレスチナ人に共感する」と答える人は36%に上昇した。また、イスラエルへの追加的な経済・軍事支援に反対する人は51%と過半数に達した。

「最近の米国の対イスラエル支援は、米国の国益にはかなっていない」とハートゥングは語る。「その大部分はガザ攻撃に費やされており、それはハマスからの攻撃と比べて過剰であるばかりか、中東とそれ以外の地域で米国への反感を生み、他の問題での支持を得るうえで足かせになるだろう」

「米国の追加支援はイラン爆撃のような地域内攻撃にも使われており、安定化よりも報復とエスカレーションの引き金となる恐れがある。第三次中東戦争や第四次中東戦争の際、アラブ諸国のイスラエル攻撃を抑止するために支援したのとは性質が異なる」とも付け加えた。

中東への介入は、「米国は高コストな海外軍事行動から手を引き、平和な国際秩序を築く」というトランプの選挙公約とも矛盾しつつある。