「死体の交換比率」なんて言葉を持ち出す時点で、その情報源がまともじゃない。
現代の紛争分析で、死者数を比率から推定している公的・独立機関は存在しない。国連も、NATOも、IISS(国際戦略研究所)も、OSINT研究者のグループも、損耗を比率ではなく確認できた証拠・写真・衛星データ・墓地拡張・兵員補充ペースなどの複合指標で推定している。

「交換比率で○倍死んだ」と言っているのは、ロシア国防省やプロパガンダ系Telegramチャンネル、あるいはそれを鵜呑みにした陰謀論界隈くらいだ。
実際、ウクライナ戦争では前線の死体を双方が即座に回収できないケースが多く、砲撃やドローンでの即時消失、遺体確認不能のケースも多い。そもそも“交換”という前提が成り立たない。

損耗評価を行う信頼できる機関(NATO情報部、CSIS、RUSIなど)は、「戦力維持率」「兵站能力」「装備の損失補充率」で戦況を測る。
彼らの分析では、ロシア軍は人的損耗を囚人兵・地方動員で補いながらも戦力の質が急低下しており、ウクライナ軍は西側支援によって限定的ながらも反撃能力を維持している。

つまり、「死体の交換比率」なんてものは、数字をでっちあげたい側が勝手に作った概念であって、検証可能な統計データとしての価値はゼロ。
まともな分析では、損耗の“比率”ではなく、“目的達成度”と“戦力再生能力”こそが勝敗の基準になる。