クレムリン当局は、ロシアの最大限の要求をすべて受け入れない和平合意を拒否する条件を設定し続けている。

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は11月26日、米国の和平案に対するロシアとウクライナの課題の「主要な側面」について、「いかなる譲歩や譲歩についても議論することはできない」と述べた。リャブコフ次官は、ロシアは長年にわたり繰り返し主張してきた要求について、交渉において「表明した目標を達成する用意がある」と述べ、交渉で「いかなる後退」が生じた場合もロシアはウクライナにおける戦争を継続するだろうと指摘した。リャブコフ次官はロシアの立場に変化はないと改めて強調し、2025年8月のアラスカ首脳会談で米露が合意したとされる「合意」を引用した。ただし、首脳会談の結果、公式に発表される合意は得られていない。

ISWは、クレムリンがアラスカ首脳会談の不透明さを利用し、妥協への不本意な姿勢とウクライナにおける完全勝利以外の何物でもないという決意を隠そうとしていると引き続き評価している。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は11月26日、ウクライナとロシアが和平合意締結にこれほど近づいたことはかつてなかったという質問に対し、「まだ断言するには時期尚早だ」と述べた。これは、ロシアが和平提案を拒否する意向を持っているため、クレムリンが和平提案から距離を置いていることを示唆している。