>>83
ノルマンディに限らず、上陸作戦で戦車を上陸第1陣に組み込むと大型の揚陸艇を先頭にする必要がある(でないと運べない)
まずもって大型の揚陸艇は遠浅の海岸だと簡単に海岸に近づけないし、干潮だったりすると海岸からかなり離れたところで戦車を降ろさなければならなくなる。
その後戦車は遮るものがない砂の上を進んでいかなければならないので目立っていい的だし、足場が悪いところを進むので動けなくなる危険性も高い。

更に、そうして海岸に近づいた揚陸艇や戦車が破壊されてしまった場合、残骸が大きいので後続の邪魔になる。
部隊が次々揚陸できなくなってしまうので、戦車を第1陣に立てることは避けるのが常道ということになる。
歩兵だけでなんとか波打ち際を確保して、改めて第2陣として戦車他の重装備が上陸する、って形になる。
歩兵の損害が莫大なものになることは覚悟するしかなく、上陸の前に敵陣地をどれだけ艦艇の砲撃と航空機の爆撃で潰せるか重要だ、ということに。

ノルマンディ上陸作戦のオマハビーチ上陸(プライベート・ライアンの冒頭部分の戦場)に際しては米軍は水陸両用戦車を投入したけど、海岸からの攻撃を避けてかなりの沖合で降ろしたので、
波が高く多数の戦車が海上に降ろして程なく転覆して沈没した。
更に上陸時は干潮だったので水から上がったあと延々と走っていくことになり、敵もしくは味方の砲弾が開けた穴にハマって行動不能になる車両が続出した。
結果戦車はほとんど上陸できず、事前砲爆撃がことごとく外れてたせいもあって歩兵の犠牲が増大することになる。