米国、EUのウクライナ支援融資計画に反対するよう欧州に要請
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-12-05/us-urged-europeans-to-oppose-eu-plan-for-loan-to-support-ukraine
複数の欧州外交筋によると、米国がEU各国に働きかけ、ロシア中銀の凍結資産をウクライナ支援ローンの裏付けとして使うEU案に反対するよう求めてきたという。
米国側の主張(外交筋による証言):ロシア資産は和平交渉の材料( leverage )として必要で、今使うと戦争が長引きかねない。
EUは今週、凍結資産を担保に900億ユーロ(約10.5兆円)のローンを組む提案を出した。凍結資産はEU内に約2100億ユーロ存在。

トランプ政権は米国からのウクライナ支援を大幅に削減し、ウクライナは2025年初めにも資金枯渇の可能性。
米国は不利になりうる和平案をウクライナに押し付けようとしており、その中でロシア凍結資産の扱いは最大の争点。
ドイツのメルツ首相は明確に拒否:「この資金を米国に渡す可能性はない。これはウクライナを助けるために使うものだ。」
欧州の立場:凍結資産の大部分はEU内にあり、使い道は欧州が決めるべき主権問題。

EU内でも特にベルギー(凍結資産の大半がブリュッセルのEuroclearにある)は有志計画に強く反発。
もしロシアが将来「資産返還」を要求し勝訴した場合、ベルギーだけが巨額負担を背負う恐れ、EU企業がロシアから報復を受けるリスク。
自国財政は凍結資産からの税収で潤っている(数億ユーロ規模)。ただしベルギーは「それはウクライナ支援に回している」と主張。
ハンガリーは一貫してウクライナ支援に消極的。スロバキアは「軍事支援につながる案は支持しない」と表明。
メルツ首相はブリュッセルでベルギー首相デ・ウェーヴァーと会談し、凍結資産案への支持獲得を狙う。
ただし、EU共同債発行という代替案もあるが、ドイツなどが反対。こちらは全会一致が必要で実現困難。