ロシアはウクライナ戦争の代償を、終結後も長く払い続けるだろう
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-12-18/russia-will-be-paying-for-its-war-on-ukraine-long-after-it-ends
軍事費を借金で埋める国家運営
ロシア政府は、軍事費の急増、石油・ガス収入の低迷、準備基金(国家福祉基金)の取り崩しによって、国債(OFZ)の大量発行に依存する体制に入っている。
数字で見ると2025年の国債発行額:7.9兆ルーブル。コロナ禍の2020年の過去最高を大幅に超過。
中央銀行政策金利 2020年:4.25% 2024年ピーク:21% 現在:16.5%
つまり、金利が異常に高い状態で、巨額の借金を積み上げている。

軍事費の規模
2025年のロシアの軍事関連支出は、GDP比7.3% 総額約15.8兆ルーブル
うち約11兆ルーブルがウクライナ侵攻関連。これは当初予算を超過している。
重要なのは、今後3年間の「軍事費そのもの」はほぼ横ばいと見込まれている一方で、債務利払いは確実に増え続ける点。

利払いが社会保障を食い始める
すでに起きている異常事態として、国債の利払い費が戦前の2倍の予算比率で、名目額ではすでに医療費・教育費を単独で上回る
さらに、来年以降、医療+教育の合計支出をも上回る、国家予算の第4位の支出項目になる見込み。
つまり、国民の生活より、過去の戦争の利息を優先して払う国家になりつつある。

なぜ利払いが膨らむのか
要因は複合的。
1.借金総額の増加
2.変動金利国債の比率上昇
3.高利回り国債の多発行
4.経済成長・税収見通しの甘さ
特にロシア国債は、約半分が変動金利。中央銀行が高金利を維持すれば利払いは自動的に増える構造。