POLITICOは、皆さんが見る必要のなかったプーチンの5時間の発言すべてを視聴しました。
https://www.politico.eu/article/vladimir-puttin-russia-kremlin-5-takeaways-from-qa-show/
1.「戦争継続」を前提とした姿勢は変わらず
ロシアでは侵攻当初「戦争」という言葉の使用が禁じられていたが、今回の冒頭では司会者が「戦争か平和か」と直接問いかけた。
プーチンは、戦況は概ね順調で、問題があるとすれば「官僚主義の過剰」だと主張。軍関係者や戦死者の家族の質問を使い、国家として戦争に団結すべきだというメッセージを強調した。
国内では和平を望む世論も強まりつつあるが、プーチンは「ロシアの条件による勝利が近い」という物語を押し出していると分析されている。

2.「和平の用意」を装いつつ、条件は侵攻当初のまま
プーチンはトランプを意識したかのように「交渉の用意がある」と述べたが、内容は強硬だった。
ウクライナ政権を「クーデターで生まれた政権」「ネオナチ」と呼び、NATO加盟の断念、東部地域からの撤退を暗に要求。
NATO拡大という「根本原因」を繰り返し持ち出し、実質的には譲歩の意思がないことが明らかだった。

3.欧州・NATOへの強い敵意
中国やベラルーシとの関係を称賛する一方、欧州とNATOを厳しく批判。ロシア凍結資産をウクライナ支援に使おうとする欧州を「強盗」と呼び、NATO事務総長の「対ロ戦争準備」発言にも強く反発した。
「ロシアを尊重し、我々の利益を考慮すれば、新たな軍事作戦はない」と述べ、責任を西側に転嫁する典型的な構図を示した。