<新型コロナ>政府は選手村を検討 軽症者の一時滞在先
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/202004/CK2020040302000146.html

 政府・与党は、東京都内で新型コロナウイルス感染症のオーバーシュート(爆発的患者急増)が発生した場合の
病床不足に備え、軽症者らを一時滞在させる施設として、東京五輪・パラリンピックの選手村(東京都中央区)を
活用する案の検討を始めた。

 東京などの大都市圏では重症者の病床確保が最優先課題だが、感染症法は軽症者や無症状者も入院対象と定めており、
病床不足の懸念が強まっている。

 公明党は三月末、安倍晋三首相に提出した提言で、軽症者向けに約一万八千床分を確保できるとし、選手村の活用を提案。
首相に近い自民党幹部も「選手村など五輪関連施設が活用できる」と同様の考えを示す。

 政府の基本的対処方針では、患者増で重症者の入院に支障がある場合、軽症者らは自宅などで療養させるよう
自治体に求めている。

 首相は二日の衆院本会議で「自治体の判断が優先されるが、国も連携を密にし積極的な支援を行う」と強調。一日の
参院決算委員会では、軽症者向け施設として、延期された東京五輪・パラリンピックの警備で警察官が宿泊予定だった
施設の活用を検討していると述べた。東京都の小池百合子知事も選手村を活用する可能性に言及している。

 都は当面、重症者向けの集中治療室(ICU)などを百床確保し、約七百床まで増やす方針。 (中根政人)