たとえば川上未映子は教える/教えられる
という関係の非対称性が権力関係に発展して
そこに「性」が絡んだと説明しているが
内田樹の説明の方がよっぽど納得できる

渡部の方に罪の意識がないことからもそれは明らかで
仮に渡部が男色家で男子生徒が相手だったのなら
件の女性に対しておこなったことでも
うるわしき師弟愛としてスルーされたことだろう

セクハラ防止ということで
この種のエロティックな関係性を全面的に禁止した場合
内田が指摘するように教育という営為が機能しなくなる可能性が高い
であるのなら教育のエロス的本質を自覚した上で慎重に行動した方が良い
さすれば内田のように卒業後数十年経過ののち
教え子を妻に迎え入れても世間からは非難されない
むしろ美談にすらなる

内田と渡部の違いは何かと言うと
慎重で自覚的であったかどうかということと
あとは知性の問題だろう
内田が言うように教師とは知的虚栄心さえあればおkというわけでもない