本当に島崎藤村が鴎外、谷崎、芥川、太宰、川端、三島らより文学的に優れてると思える人は、
文学を読むのに向いていない。
何故に今だに三島の評論や特集が巷の本屋でも組まれるのか?
45年の短い生涯で、その小説、戯曲、評論らは圧倒的に他の作家を凌ぎ、仕事量から見てもハイアベレージの作品群だ。
内容に加えて、日本語に精通した絢爛、洗練の語彙を尽くした文体然り。
しかも後の日本社会の在り方を問う先見性も慧眼だ。
島崎藤村なんてブックオフでも売れずに骨董品化しているのが現状だろうに。
姪を孕ませて仏蘭西に行く作家と、言行一致で己の美学に殉じ、腹を切って諫死する作家を論じるのも不憫だ。