【連載版】あたしメリーさん。いま異世界にいるの……。
作者:佐崎 一路


ドタンバタンと聞こえる音は、どうやらリッチの少年が頭を抱えて地面を転がって煩悶している音のようだが、当然のように無視したメリーさん。
『なんか本みたいなものが入っているの……』
『ちょっと見辛いですね。狐火を増やしますね』
『手元にも欲しいの。えーと、これは……月間・ロリっ子キッス”……』
『こっちは薄い本でエッチなネコミミ娘の飼育日記”……』
『僕と幼女淫魔の七日間”秘密の保育園情事”禁断のアリス”……』
『よっこらフォックス こんこんこん♥”狐娘は僕のお稲荷さんが”――って、ここにあるの、全部幼女とケモナー関係のエロ本ばかりじゃないですかああああああっ!!』
 多分、羞恥で真っ赤になって絶叫したのであろうスズカの非難の視線を浴びて、死んだ後にオタグッズを公開され、性癖を暴露された――それもドストライクの幼女とキツネ少女によって――少年は、
『ギャアアアアアアアアァァァァァァァァッッッ!!!!』
 という断末魔の絶叫とともに次の瞬間、粉々に砕けて塵と化して消えたのだった。