>>793
橋爪も大澤も(昔は別にして)今はウェーバー理論を支持しているとは思えないけど。
むしろ、自然人と無関係な「法人」や主権者の意思による「立法」が近代化を可能にした、
「法人」の考えは経営者や君主個人と区別された「会社」や「近代国家」を生み、宗教や伝統に拘束されない「立法」は状況への柔軟な対応を可能にした、
そして「法人」や「立法」を可能にしたのは王権・教権並立などの西方キリスト教的伝統による、という考えだろう。
キリスト教的エートスでなくその伝統に近代の原因を見るこの考えは面白いし説得的だと思う。

私の考えでは、自然科学はあまり近代化の要因としてふさわしくないような気がする。
イスラム圏も中華圏も西欧より優れた科学の伝統があったがそれらは近代化を産まなかった。
むしろ「新大陸発見」による拡大衝動や主権国家並立の「ウェストファリア体制」による諸国家の競争による体制進化のほうが大事かなと私は思う。