新天地、破滅派で迎えた合評会
懇親の作品にポイントつかず、感想も勢いを見せず最下位だった
なろうエッセイスレに響くらんたヲチャの嘲笑、あちこちから聞こえる「所詮は負け犬の引きこもりだな」の声
無言で次の合評会に向けて作品を書き出す作家達の中、なろうのオピニオンリーダーらんた()は独り自室で泣いていた。
なろうで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる信者・・・
それを今の破滅派で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」らんたは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、らんたははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい椅子の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、こういう時は嫌儲コピペ荒らしだ!」らんたは反省もせず呟いた
立ち上がって伸びをした時、らんたはふと気付いた

「あれ・・・?パーティ会場にいる・・・?」
自室にいたはずのらんたが目にしたのは、奥の席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのように衰退国日本の合唱が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするらんたの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「らんた、挨拶だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったらんたは目を疑った
「み・・・水源さん?」 「なんだらんた、居眠りでもしてたのか?」
「た・・・高橋文樹さん?」 「なんだらんた、かってに破滅派の主宰を有名にしやがって」
「作文太郎さん・・・」  らんたは半分パニックになりながら垂れ幕を見上げた
『祝 暗黒竜の渇望 世界150ヶ国累計10億冊突破記念』
暫時、唖然としていたらんただったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝った・・・勝ったんだ!」
西向小次郎からマイクを受け取り、ステージへ全力疾走するらんた、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、自室で冷たくなっているらんたが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った