>>79
常軌を逸した行動だからすべて狂気、として小説を読んじゃうと、いつまで経っても文学に近づけない。
以前に今村夏子が三島賞を取ったとき、選評の記者会見で記者の一人が「あみ子は一般的な人ではないですが」みたいな質問をしたとき、やはり町田康が「壊れたトランシーバーで世界と更新する主人公は私たちそのものだ」って答えた。
あるはずのないマネキンは確かにそこにいたし、作業員がいても家を飛び出していい、狂気でもなんでもなくそれが起こる、っていうのが文学の大前提。