下手くそ杯審査会場

1名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:23:38.43
ここは雑談スレ下手くそ杯の審査会場です
投票集計は締め切り後です
2名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:24:27.80
雑談スレ下手くそ杯ルール

テーマや文字数自由
投稿者はコテを付けて、下手くそ杯参加と名前欄に書く
作品はこのスレに直で貼るかリンクを貼る

締め切りは6月末
審査員はここの名無し
名無し審査員が付ける下手くそ認定投票の多さで順位が決まる
作品を貼らなかったコテは不戦敗として問題外の下手くそ確定
3名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:25:59.07
下手くそ杯参加 ◆o5lRFxMOhs 2024/06/09(日) 00:45:31.63
「昼間のフードコートで見つけた自由」

あちきは昼間の郊外のイオンモールのフードコートで、カラフルなプラスチックのトレイの上に置かれたチューハイの缶を見つめていた。フードコートには買い物客のざわめきが響き渡り、どこか浮かれた雰囲気が漂っている。けれども、あちきの頭の中は静かなもので、そのざわめきとは別の世界にいた。
「あちき」は、ここで昼間からアルコールを楽しむのが最高の贅沢だと思っていた。特に、この時間帯にはほとんど人がいないし、誰にも邪魔されることなく、自分だけの時間を過ごせる。外の明るさとは裏腹に、心の中は曇りがちだった。小説を書いて生計を立てることを夢見ていたが、現実は厳しく、福祉制度を利用してかろうじて生活している。
「あちきは何かテーマを探しているんだけどね」と、つぶやきながら、もう一口チューハイを飲む。昼間に飲むアルコールは特別な味がする。仕事に追われることなく、自由に飲める時間は贅沢だと思った。
小説を書くことで生計を立てようともがいていたが、なかなかうまくいかない。手元のノートにはアイデアが書き散らされているが、どれもまとまりがなく、形にするにはまだ遠い。昔の知人のツテを頼ってみようと思い立ち、スマホを取り出してLINEを開く。昔からの友人にメッセージを送ったが、既読すらつかない。少し待ってみたが、反応はなかった。
「ああ、ブロックされたかもしれないね」と、あちきはつぶやきながら、少しだけ笑った。怒りも感じず、ただ静かな気持ちで席を立つ。フードコートのアルコール売り場に向かい、ストロング缶を手に取った。アルコールの冷たさが手に心地よい。
よく考えてみれば、あと5年もすれば老齢年金が受給できる。その時には、もうがんばる必要もないのかもしれない。今までの生き方を振り返り、自分の選択が間違っていなかったと再認識する。
あちきは再びフードコートの席に戻り、新しいストロング缶のプルタブを引いた。シュッという音とともに、炭酸が弾ける。「まぁ、これも悪くないよね」と、独り言を言いながら、次の一口を楽しんだ。自分の生き方が間違っていなかったと、確信を持って。
4名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:26:38.60
下手くそ杯参加 ◆o5lRFxMOhs 2024/06/09(日) 00:58:05.52
「ラーメンの誘惑と暴力の果て」

オレの部屋には、まいばすけっとのPBカップラーメンが山積みになっている。いつも同じ味のラーメンばかり食べていると、どうしても飽きてしまう。それに、SNSで見る高級ラーメンの写真が頭から離れない。特に、あの1500円のラーメン。きっと、オレが今まで食べたことのない味に違いない。
オレは一人称を「オレ」としているが、実際には女性だ。周りからは変だと言われることもあるが、気にしない。今日は、その1500円のラーメンを食べるかどうかを真剣に考えている。財布を開けると、そこには1万円札が一枚だけあった。これを使って、あのラーメンを食べるか、節約してPBのラーメンを買い続けるか、悩む。
「人生を変えるのは、今しかない」と自分に言い聞かせ、ついに決心した。1500円のラーメンを食べることにした。これが、オレの人生で一番重い決断だった。
都心のビルにあるラーメン店に向かう。ビルの中に入ると、煌びやかな照明と高級感漂う雰囲気に圧倒される。券売機の前に立ち、慎重にメニューを確認する。ちゃんと、あの1500円のラーメンがあることを確認してほっとした。オレは財布から1万円札を取り出し、券売機に入れようとした。
しかし、現金を入れるところがない。慌てて店員を呼びつける。「現金は使えないんですか?」と問いただすと、店員は冷静に「クレジットカードのキャッシュレス決済のみです」と答えた。その瞬間、オレの中で何かが切れた。怒りに任せて、店員を殴りつけてしまった。
次に気がついたとき、オレは警察の取調室にいた。警察官は優しくも厳しい口調で質問を繰り返すが、オレの頭の中は、ただ一つのことしか考えていなかった。目の前には、肉が厚いカツ丼が置かれていた。その香ばしい匂いに誘われて、箸を手に取る。口に入れると、その肉のジューシーさとご飯の甘みが広がり、思わず涙が出そうになった。
「これが、本物の味か」と思いながら、オレはカツ丼を一口一口噛みしめた。まいばすけっとのPBラーメンよりも、ずっとおいしいものを、ついにオレは食べることができた。警察の取調室という場所は最悪だったが、そのカツ丼のおかげで、オレは少しだけ幸せになった。人生には、こんな驚きもあるのかもしれないと思いながら、オレはカツ丼を完食した。
5名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:27:18.55
下手くそ杯参加 ◆o5lRFxMOhs 2024/06/09(日) 01:25:50.96
雨の日のうなぎ

雨がしとしとと降る音が耳に入ってくる。重く垂れ込めた灰色の雲が空一面を覆い、街全体がまるで深い眠りに落ちたように静まり返っていた。
今日は現場の仕事が休みになった。今月は休まず働いてきたので、久しぶりの休みに胸が軽くなるのを感じた。広がる安堵は、長い間緊張していた弦が一瞬の解放を迎えるような感覚だった。
財布には今月の労働の成果が少しばかりの余裕をもたらしていた。この余裕を何に使おうかと、考えを巡らせる。
ふと、近所のうなぎ屋が頭に浮かんだ。いつも行列ができるその店のことを思い出すと、香りの記憶が蘇った。まるで遠い過去の幸せな瞬間を思い出させるかのように鮮明だった。しかし、窓の外を見つめると、雨が降り続いている現実が目に映った。
雨の音が迷いをもたらした。雨に打たれながら出かけることを考えると、寒さに震える小鳥のように不安定になった。それでも、一度思い浮かんだうなぎの味は、強く刻まれた夢のように消え去らなかった。
決心してレインコートを引っ張り出し、ゆっくりと腕を通した。自転車の鍵を手に取ると、冷たい金属の感触が手のひらに伝わった。ペダルを踏み出すたびに、自由の風が吹き抜けた。雨に打たれることを気にせず、前へ進むたびに軽くなっていくのを感じた。
うなぎ屋に到着すると、予想通り行列はなく、すんなりと店に入ることができた。「5000円の松のうな重をお願いします」と、店員に注文を伝えた。久しぶりに自信が芽生えた。
待つこと30分、春の訪れを待つ蕾のようにその瞬間を待ち焦がれていた。そして、うな重が目の前に運ばれてきた時、満開の桜のように喜びに咲いた。
一口食べると、その豊かな味わいが口いっぱいに広がった。今までの人生で一番、うまいものだと感じた。食べ進めるたびに、満たされ、体の中に温かさが広がっていくのを感じた。
食べ終えた瞬間、スマホが鳴り響いた。
「職人があまり気味だから、明日から出てこないでいい」と言われた。収入がなくなることに気づいた瞬間、暗闇に落ちる星のように沈んでいった。
しかし、うなぎを食べたことに後悔はしなかった。その満足感は嵐の中でも輝く灯火のように、希望を灯していた。人生の一瞬一瞬が、どれほど貴重であるかを思い出させてくれた。この一食が明日への希望を繋げてくれた。
6名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:27:55.78
下手くそ杯参加 ◆o5lRFxMOhs 2024/06/09(日) 01:53:32.01
狂気の電車と空虚な財布のエコー

ゴォォン、目が覚めた。ズズズ、昨日の面接は失敗だ。頭の中でエコーが響く。カラン、収入が減り続ける恐怖が胸を締め付ける。ダダン、心臓の音が耳の奥で反響する。カラン、カラン、財布の中身は空っぽだ。チリン、貯金なんてとうに尽きた。チリン、チリン、電車の音が遠くで鳴り響く。ズキン、ズキン、両親のことが頭をよぎる。年老いた姿が目に浮かぶ。バキン、背中が寒い。何年も異性との関係がない。バキン、バキン、鏡の中の自分が嘲笑う。ズズズ、自信なんてかけらもない。シーン、友人もいなくなった。シーン、シーン、静寂が耳を刺す。シュウウ、自分は生きている価値がない。シュウウ、シュウウ、存在が溶けていく。無になりたい。

ザザン、心の中で叫ぶ。仕事が決まらない。ズズズ、頭の中でエコーが響く。カラン、収入が減り続ける恐怖。カラン、カラン、財布の中身は空っぽだ。チリン、貯金なんてとうに尽きた。チリン、チリン、電車の音が遠くで鳴り響く。ズキン、ズキン、両親のことが頭をよぎる。年老いた姿が目に浮かぶ。バキン、背中が寒い。何年も異性との関係がない。バキン、バキン、鏡の中の自分が嘲笑う。ズズズ、自信なんてかけらもない。シーン、友人もいなくなった。シーン、シーン、静寂が耳を刺す。シュウウ、自分は生きている価値がない。シュウウ、シュウウ、存在が溶けていく。無になりたい。

ダダン、収入が減り続ける恐怖。ダダン、心臓の音が耳の奥で反響する。カラン、カラン、財布の中身は空っぽだ。チリン、貯金なんてとうに尽きた。チリン、チリン、電車の音が遠くで鳴り響く。ズキン、ズキン、両親のことが頭をよぎる。年老いた姿が目に浮かぶ。バキン、背中が寒い。何年も異性との関係がない。バキン、バキン、鏡の中の自分が嘲笑う。ズズズ、自信なんてかけらもない。シーン、友人もいなくなった。シーン、シーン、静寂が耳を刺す。シュウウ、自分は生きている価値がない。シュウウ、シュウウ、存在が溶けていく。無になりたい。
7名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:29:14.20
bananafish
https://kakuyomu.jp/works/16817139557878450846
8名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:29:52.13
ミラ ◆yc99/W2drU
小説は読者を選べない
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889243933
9名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:30:30.87
もじょ 2024/06/09(日) 00:01:21.58
予知夢 

 私は路地裏へ迷いこんでしまった。
 細い道が碁盤の目ように走っていて、古い民家が立ち並んでいる。交差点を渡ろうとしたそのとき、大きな魚が視界の右から現れた。私は電柱の陰に隠れ、魚は私に気づくことなく、ゆっくり視界の左端へ消えた。電柱から首だけだして魚の往った方角を確認してみる。鯉幟のようなその魚は、私のいる地点から3ブロックほどさきの民家の前でじっと動かずにいる。尾びれと胸びれがゆっくり空気を掻いている。見てはいけない。強くそう思い、私は魚が往った反対の方向へ歩いて行く。
 ある民家の格子戸を開けてみると、上がりかまちに男が座っていて、テレビ局に勤めていそうな風体である。ネクタイをしないサラリーマンのようなこの男に、大きな魚がすぐそこにいることを告げる。しかし男はにやにや笑うばかりで、何でもないことじゃないか、とでも言いた気である。私は諦めて玄関を出た。魚に気づかれぬよう慎重に格子戸を閉める。
 抜き足差し足で路地裏から大通りにでた。大通りを横ぎると、埋立地のように殺風景な原っぱが広がっていて、ススキや泡立ち草が生い茂る中に、外壁がくすんだ灰色の倉庫のような建物がぽつんと一棟だけ在る。中に入り、階段を最上階まで登ると、そこは何故か病室になっていて、私が常日ごろから死んでほしいと願う女がベッドに横たわっていた。 ベッドの脇の椅子に座り、私は女と言葉を交わす。釣師が海底に沈めた仕掛けを探るように、慎重に言葉を選びながら、私は女を観察する。女の青くむくんだ顔を見て、この女はもうすぐ死ぬと確信する。私は嬉しくて堪らない。
10名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:31:01.24
もじょ 2024/06/09(日) 00:01:41.25
 いつもより1時間早く目覚ましがなった。早番出勤のためである。
 ベッドの傍らに同棲している女が横たわっている。もぞもぞ動く毛布越しの輪郭が紡錘形の魚のようである。しかし私は最近この女に欲情しなくなってきている。少し前から女の体臭が気になり始め、それが兆候だったかもしれない。今では女のやることなすことが気に入らない。
 ベッドから降りた私はクローゼットからワイシャツをだして着けた。女はようやく目を覚まし寝ぼけた声で言った。
「起きれなくてごめんねぇ。朝ご飯はコンビニのおにぎりですませてちょうだい」
 さっきまでの夢を反芻していた私は、知らぬうちにネクタイの結び目を解いていた。端と端を持ち、だらりとUの字に弛ませたネクタイ。私はそのままの姿勢を保ち、ベッドへ近づいていった。
 そして……。
11名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:31:39.15
◆hiyatQ6h0c
イケメン高校生と美人肛虐女医
web.archive.org/web/20101220050242/http://vs3.f-t-s.com/~dayjobman/ikemen.html
12名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:32:12.20
hetakuso ◆9Ce54OonTI 2024/06/09(日) 11:54:24.04
下手くそ杯参加

2015年8月15日で2ちゃんねるを見ること、反応することに事切れた感じで、もう2ちゃんねるを見る気もしない。
今日も朝からバイクに乗って朝の涼しい冷気の中を田んぼの中を走って、気分を転換し、イトーヨーカドーで服なんかを見たりしてチノパンとか良さそうなのがあるので、給料出たら買おうと思っている。

ここ数ヶ月の2ちゃんねるへの参加と脱出を振り返りながら書いて見たいと思って、ネットブックを立ち上げてエアコンの効いた部屋で、静かに回想している。

自分が運がいいのか、悪いのか、「場末のBAR」スレなんてところでひっそり独り言をつぶやいて飽きたら2ちゃんねるは脱出して埼玉文学賞の応募作品50枚書こうというモチベーションがかなり高まったら、
ふと気がつくと、誰も来ないような捨てられたスレに女性が現れて会話を積み上げることになった。YOUTUBEの動画を貼り付けて評価しあう。
なんて話しているとかなり楽しい。でも自分の内面は2ちゃんねるやめて小説書きたいんだけど、と、運がいいんだか、悪いんだか思いながら話してた。
毎日話すことになったので、土曜日だけに限定してもらって、自分がやることをやって、一週間の締めくくりで土曜に会う感じでそれはそれでよかったんだけど、
楽しいということはそれをねたむのとかやっかむのとかを発生させるので、だんだんノイズが多くて、ちっとも気分がよくならないので、8月15日付けでここのマスター役は降りた。
自分はこの女性、ちょっといいかもと思ったこともあるけど、2ちゃんねるで女性と出会うということはメール送信もままならない。メールアドレス書いたって、
何人なりすましが送そういう不完全さがあるから、メールで相互理解というのはま難しい。
女性もかなりの2ちゃんねらだから、そこも一歩踏み出せなかった理由で、自分のブルーアイリスの輪に入れるには難しいと思った。
今後chatworkとopenPNEでコミュニケーションをとる対象は、「実際会って話して名刺交換した人」のみになるからだ。実際会うことがとても重要なのは、文学フリマやコミティアで経験しているので、
それがわかっているクリエイターとのみ仕事の話はしたいと思っている。話は戻るけど、この女性のアスキーアートの女性的感性を感じることができて、それはそれでよかった。
13名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/09(日) 23:32:47.10
hetakuso ◆9Ce54OonTI 2024/06/09(日) 11:55:20.61
それは良い記憶として残して新しい世界へ一歩踏み出す。この女性に送りたい曲は「ラストダンスは私に」ドリフターズである。

次に2ちゃんねるに一日浸かっていた2人の自宅警備員と入院患者についてちょっと思うと、もし10年前に自分と会って、この2人がひん曲がっていなかったら、きっと「舎弟にしてください」と言ってきたような2人だったんだな、と思うが、
18年前確かに兄貴な貫禄のあった私はMac舎弟3人抱えていた時代もあった。男としてそれくらい魅力あったようである。
でも時間は人を変えていく。自分はこの2人とは関わり合いになりたくないので2ちゃんねる逃げるのある。そしてブロックして、次を始めるのである。

最後に今後の展望として今日神の采配のような新しい春日部での発見があった。それは自分の新天地を開くつながりの窓口として、今日、そのつながりを固着した。春日部と東京、そして出版業界を結ぶ、そういう新天地の今日はスタートである

14もじょ
垢版 |
2024/06/10(月) 00:01:08.69
下手くそ杯参加作

終の入り江

 夕暮れ時に、私は、その駅に降り立った。
 海に近いらしく、磯のにおいがする。駅前の目抜き通りは、さびれていて、シャッター商店街とはこのことか、と思う。閉まったシャッターには、落書きが目立つ。それでも、開けている店はポツリポツリとあり、その中のひとつに、自動車修理工場がある。
「やあ、おかえり」
 そう言った者がいて、見ると、弟である。
「BXは、きっちり整備しておいたよ」
 くたびれた青いつなぎを着た弟がボンネットを撫でているのは、ベージュのシトロエンBXである。
 私は、懐かしい気持ちにとらわれる。
「おお、これは、おれが乗っていたクルマだな。でもなぜベージュなんだい? 白かっただろ?」
「この町は、埃っぽくて、白い物もこんな風になっちまうんだよ」
「そうか、それはそれでいいな。映画で観たパリのタクシーみたいで、カッコいいじゃん」
 弟を助手席に乗せ、BXを運転し、海岸通りに出る。海の波は穏やかだが、町工場の廃液が流れ込んでいるようで、鉛色。
15もじょ
垢版 |
2024/06/10(月) 00:02:51.62
「きたねー海だな」
「ここは、そういう所なんだよ。昔は東急が開発してさ、それなりに賑わったんだが」
「おれが乗ってきた電車は東急じゃないのか?」
「違うよ。東急は、もう何十年も前に撤退して、あの線、今は貨物の方が多いんだよ」
 そのようだ。海岸線を左に折れ、鉄道の踏切に差し掛かると、遮断器が下りてきて、貨物列車がゆっくり左から右へ走ってゆく。何十輌もあるのが当たり前の貨物列車だが、五輌しかない。
「短いな」
「景気が悪いからね」
 最後尾の車両には、なぜか、砂かけ婆のような老女がふたり、石炭の山の上にうずくまっている。
「あれはなんだい?」
「無賃乗車。みんな金がないんだよ」
「おまえは、どうやって暮らしているの?」
「修理工と小さな商いの魚屋だよ」
「魚屋か。あんな海で魚が獲れるのか?」
「獲れることは獲れるよ。質は良くないけど」
 踏切が空き、しばらく走ると、
「ここが家だよ。兄貴の部屋もあるから、クルマを車庫に入れて」
 大通り沿いにポツンと一軒だけある店舗併用住宅。外壁は、BXと似たような黄土色。見ると、車庫の隣に、鱗のないヌメっとした、鮮度が良くない魚が並んだスペースがあり、なるほど、小さな商いとは、これのことか、と納得する。
 とともに、私は、この地で暮らす覚悟を決めた。
16もじょ
垢版 |
2024/06/10(月) 00:09:47.59
下手くそ杯参加作

手錠とその因果

https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=263548&from=listbyname.php%3Fencnm%3DMOJO
17名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/10(月) 22:20:12.32
中島英男 2024/06/10(月) 15:32:33.08
下手糞杯参加します

カレイドスコープワークス 第20話 廃墟の街をバスで通り過ぎて

 20XX年、氷上兵庫は95歳になった。芸術活動のさなか日銭稼ぎに日雇いの会社顧問をやるようになっていた。今日は昔東京都と呼ばれた自治体と神奈川県と呼ばれた自治体の昔の境界線にある、一次請けの建設会社の業務改善指導に訪れていた。仕事の経験値が異常に高くなった兵庫は、経営・事務・営業・現場とひと目で改善案を提案出来る、そんな古老になっていた。
「あー、じゃぁ今日はここまでですね。大体私のやり方を理解しましたかね?では、私のやり方を覚えておいてもらって実践してくださいね。ギャランティーは、銀行振り込みで、メールで話したとおり、日当1万円でいいですわ。それじゃぁ、住処に帰りますね」
「ありがとうございましたぁ」
 と、事務方の女性達に見送られながら現場を後にした。
「さて、来る時は駅から車で送ってもらったけど、帰りはどうしようか、マップだとバスがあって、春日部へ直通の電車の駅までのバス停があるか、では乗ってみようか」
と、訪問先の会社から、5分ほど歩いた場所のバス停に向かって歩いた。程なくバス停は見つかり、バス停の時刻を見ると、16時30分に、地下鉄乗り入れの私鉄の駅までのバスがあると言う事だった。
やがて、EVの小型バスがやってきて、バス停の前の兵庫の前で止まってドアが開いた。この時代のバスはAI化が大分進んで、7Gの電波で少々の誘導があり、自律性は、40年前と比べて格段の進歩があった。
小型バスに乗り込むと、一人の女子高生が座っていた。さすがに兵庫は95歳である。口説くわけにも行かないというか、幼児と一緒にバスに乗る、と言う感じになって、ちょっと話しかけた。
「やぁ、お嬢さん、この辺の女子高生かね?○○駅まで行くんだ。しばらく一緒だねぇ」
「あら、そうですか、私も○○駅で降りるんですよ、この辺は詳しいのです。地元だから、バスガイドをやりましょうか」
「ああ、そうだねぇ、私は乗り物で色々風景を見るのが好きなんだ。この辺は95年の人生でも初めて通る場所でね、関東プレーンで95年生きてても、来た事の無い場所はあるものだよ」
18名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/10(月) 22:21:10.53
中島英男 2024/06/10(月) 15:32:45.33
「そうですか、えーっと、次ぎは白眉です。何も無いところです。と言うか○○駅まで、森が茂っています。地域現代史だと、2030年くらいまでは都市だった様ですけど、2030年に21世紀が本格化して、廃墟の中に木々が立ち並ぶ風景になったそうです。私は、生まれたときから森と廃墟だったので、これが当たり前なんですけどね」
「20世紀都市か、私は1968年生まれなんだよ。だから、昔Tokyoと呼ばれた所の都市の思い出もあるものだよ、そうか、ここでも20世紀の名残が見られるのか」
と、兵庫は女子高生と二人で話して、いくつものバス停を越えていった。車内の液晶ディスプレイに、「地札」という地名が出た。兵庫は、よくある地名だ、と思った。しかし女子高生は、怪訝な顔をしてガイドした。
「地札というのは、2030年頃につけられた、正式な地名ではないのですけどね。2030年に、地札にあった、巨大企業の建屋の中で大量の自殺者が出て、日本で大事件になったと言う事からつけられた通り名のバス停です。誰も降りる人は居ません」
と、そこまで聞いて、兵庫の脳内の情報データベースで、引っかかるモノがあった。そういえば、神奈川の方で、そんな20世紀の終末の事件があったような、とうろ覚えだった。
やがてバスはその地札というバス停に差し掛かる。兵庫は、窓の外を見た。うっそうと茂った木々の中に、巨大な5階建ての一面ガラス張りで、少々の壁は全て緑色に塗られた建物が見える。窓の中を目を凝らして見たが、建物の中には何もないようだったし、まず第一にひと気というものが全く無いバス停だった。木々は往復2車線の道路に張り出すように茂っている。緑の中の緑の建物、そして中は薄暗く、何も存在していない。
20世紀の終わりが2030年に明確になり、20世紀西洋資本主義経済の奴隷達は存在理由を失った。オールドメディアに洗脳され、生きる事の自在性を喪失したサラリーマン達は自殺という手段で、ラクになることを選んだ人間が多数出た。この建物はそんなランドマークだった。
19名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/10(月) 22:21:41.16
中島英男 2024/06/10(月) 15:32:59.02
やがて地札のバス停を通り過ぎ、やはり、濃密な森を抜けいくつかのバス停を越えると、ようやく人里の気配が出て来た。
「もうすぐ終点ですよ、どちらへお帰りですか?」
「昔、埼玉県春日部市と呼ばれた自治体の95年も住んでいる我が家へ帰るんです。ここから電車で2時間ほどですな」
「へー、随分遠い所へ帰るんですね、私なんか海辺の家に帰るんです。電車で隣駅です」
「60歳くらいから、人生とか仕事経験を買われて、会社の日雇い顧問をやるようになってね。北海道から九州まで行ってるよ。今日はそれでも、初めて来た地なんだよね。ここは」
「あ、終点に着きましたよ。それじゃ、私は反対方向の電車なので、これで」
と女子高生は会釈をして、バスを先に降りた。兵庫も、95歳とは思えないしっかりした足取りでバスを降りて、周りを見渡した。20世紀的コンクリートのビル群が建っている。駅はどこだろう、とバス停を降りた道をちょっと南へ行き、角を曲がると広いロータリーとか、車の寄場があって急に視界が開けた感じがした。右手に目をやると、自動販売機があったので、話しすぎて丁度ノドが乾いていた兵庫は、レモン果汁の炭酸水を購入した。
ガタリと、音を立てて飲み物の缶が出てくる。手に取って、フタを開けて、少し口に含んだ。その脇を、今時の服装をした若者二人が歩いて行く。西の空は夕焼けだった。これから2時間かけて、住処へ戻る、と考えると気が重かったが、そんな事も言っていられない。静かに炭酸水を飲み干して、缶を捨てて、電車の駅と思われる建物の方へ歩いて行った。
2024/06/10(月) 23:12:47.13
全員本当にひどい…
21名無し物書き@推敲中?
垢版 |
2024/06/11(火) 16:48:33.41
>>20
だよなw俺はもじょが一番ひどいに一票w
レスを投稿する

5ちゃんねるの広告が気に入らない場合は、こちらをクリックしてください。

ニューススポーツなんでも実況