八百長・不正工作はサッカー界では深刻な問題である。

 八百長にはふたつの種類がある。ひとつはマフィアなど外部の犯罪組織が絡み、大規模なマネーロンダリングや非合法な賭博のために八百長をおこなうもの。もうひとつはそうした犯罪とはかかわりなく、クラブが成績を上げる(ヨーロッパカップ出場権を獲得する、降格を免れるなど)ための不正工作で、経済的に豊かでない国では日当の支払いが遅れているレフリーが不正を受け入れる場合も多い。後者は例えばボスニア・ヘルツェゴビナのような国にも存在する。

『フランス・フットボール』誌3月17日発売号で取り上げているのは前者のケースである。犯罪組織が絡んだ八百長は世界的な広がりを見せ、やり方もコミュニケーション手段の進化とともに変化している。サッカー界の対応も、後手に回っている印象がある。