『 星と姫君 』

ぷにぷにぷにぷに……
「うーん…おっ…」…もぎゅ?んんっ…ひんやりした感触が口をふさいだ。
…ん、ここはプラネタリウム。ついうとうとしてしまったらしい。
起こしたら、俺が声を出しそうだったので、とっさに手で止めてくれたんだな。
俺は都子の手をとり、ありがとうのつもりで軽くぎゅっと握ると、
ポニーテイルの小さな頭が、俺の肩にとん……うーん、しあわせっ。

「プラネタリウムの満天の星空は、実際に肉眼で見える星よりも、
暗い星まで投影されてるんだな」
上映が終わったプラネタリウムを出て、ふたり並んで歩く。
「見えない星もたくさんあるんだね…」
「俺、都子が星なら、どんな星だって、すぐ見つけ出してみせるよ」
「えっ?うれしい……」
ぱあっと頬をピンク色に染める都子…こういうとこ、すっごく可愛いんだよな。
……ん!?おや、あれは……
「あれ、星川さん!」「もう、いきなり違う星見つけちゃうって、どういう事?」
軽くむくれる都子。「…ごめん。でも、ちょっと様子が変なんだ…」「な、何?」
都子の瞳が、俺の視線の先を追う…とすぐに事情を把握。「行きましょう!」