高砂の彼から電話があったの。
疲れてたから寝ていたかったんだけど、
「はよ来んかい!」て怒られて凹んだ…
屋台を見せてあげたい、って。

遠くから見ても間近で見てもほんとに屋台は立派ね。
そして、彼の祭り仲間たちに私のこと紹介してくれたの。
彼にはかなわないけど、みんな男らしくて素敵だった。
高砂に来てから、東京とは言葉も全然違うし戸惑うことが多くて
少し孤独だった…だからつい感極まってしまったのよ。

彼に泣きながらほんとのこと言っちゃった。
「ごめん、ほんとは󾀕󾀕くんのことが大好きで、毎日会いたい
って思ったから兵庫支社への異動願を出したんだよ。
ごめんね。でも今では高砂の街も秋祭りも大好きで」
声にならなくて、そこまで言うのが精一杯だったの。

そしたら彼、笑顔で「󾀕󾀕の気持ちは分かっとう、
全部分かっとうから。ほんま嬉しい、ありがとう」て。

全然わかってないでしょうに…
私は彼のことを人間として大好きだよ、でもね、
男性としても好き。そんなこと分からない方がいいよ。
秋祭りの練習を見ているだけでも鼻血が出そうになってる
男がすぐ隣にいるなんて。知らない方がいい。ごめん。
これからも好きでいさせて。好きで好きでたまらないから。