>>348続き)

仕事にはいろんな感情(面倒)が伴います。「大変」だとか、「緊張」だとか。
それらの仕事は「やれば終わること」なので、僕個人的には朝飯前もいいとこで、
「1万件のメール返信だろうが、やれば終わることなのに、なんでテンパる(慌てふためく)ことがあるの?」
と思っているのですが、それを口にすると大体嫌われます。

「1件のメール返信を1万回繰り返せば確実にクリアできる」
というメチャクチャ簡単な算数で片付けられることに、感情が揺れる人間の気持ちが分かりません。
ただ、「作業が多い」ということでパンクしちゃう人は多いので、押し付けは良くありません。
あくまで、西野個人の中でとどめておく言葉として「ほとんどの仕事は小指一本でできる」です。
#世の中をナメ腐った男
#そのうちバチが当たって消えます

僕が手掛けている仕事で最も厄介な仕事は、ぶっちぎりで「脚本執筆」です。
この仕事に伴う感情は「大変」や「緊張」といった生ぬるいものではなく「苦しい」です。

水中で息ができない類いのあの感情が、何日も、何週間も、何ヵ月も、何年も続きます。
時々、シナリオライターを名乗る人が「脚本はコツさえ掴めば誰でも書けます」と言ったりしますが、
西野に言わせると「お前の本で良ければな」です。

それこそ世界中の才能が集まるブロードウェイに籍を置いて、「ストーリー」で全員をブン殴るつもりならば、
身体中の血液を搾りきっても、まだ足りません。
飽きるほどの呼吸困難と、もう二度と浮上しないんじゃないか?という恐怖を抱えながら、
毎夜、アトリエに籠ります。