>>707続き)
 
なんか「依存症」のことを調べれば調べるほど、「意志の弱さ」や「自己責任論」が的外れなのは勿論のこと、
「心の病」としてしまっていることにも違和感を覚えざるをえない。

「心の病」としてしまうと、「心を治せばいい」という話になるわけですが、
今、お話ししたとおり依存症というのは、「喜びを感じる中枢神経の機能低下」という脳内で起きているバグであって、
ここを潰さない限り、回復には向かわない。
 
これ、僕が言ってることって、伝わってますかね?
つまり、依存症って「ヒューマンエラー」じゃなくて、「システムエラー」なんです。
 
■事故多発エリアに「よそ見運転はやめましょう」は根本的解決に向かわない

僕が「心の病気じゃない」と言っている理由を、分かりやすく例えると、
たとえば「事故が多発する交差点」があったとするじゃないですか?
 
そこで事故を起こしたドライバーに、事故の原因を聞いてみると大体「よそ見をしていました」と返ってくるでしょう。
ここで、調書には、事故原因は「ドライバーのよそ見」と書かれてしまうわけですが、
そもそも問題として、この交差点が「事故多発エリアである」ということがある。
 
事故原因が本当に「ドライバーのよそ見」なのだったら、すべての交差点で均等に事故が起きているハズなのです。
ですが、事故はこの交差点に集中している。
なんで、この交差点だけ「よそ見」による事故が集中してしまうのか?
 
この問題を解決する時に立てなきゃいけない仮説は、以下の二つです。
1つ目、「よそ見しやすい環境にある」
2つ目、「少しのよそ見で、ブレーキが追いつかなくなる」