>>740続き

たとえば、映画。
映画は公開初週がピークで、そこから売上は右肩下がりになっていきます。
興行収入だけに頼ってしまうと、どうしても“短期決戦”になってしまう。
 
そこで重要になってくるのが「マーチャンダイズ」、つまり“派生商品”です。
映画を観て感動したお客さんが、
「あの世界をもっと楽しみたい」「何か手元に残したい」
と思ったときに、それに応えるグッズや体験が用意されているかどうかで、
その作品の“寿命”が変わってきます。
 
わかりやすい例で言うと、ディズニーの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』。
実はこの作品、1993年の公開当初は、そこまで大ヒットしたわけじゃありませんでした。
ですが、その後、アメリカの小売チェーンでグッズ展開を始めたところ、
初年度から爆発的に売れて、今では一部の店舗で売上の90%が
この作品のグッズという驚異的な数字を叩き出しているそうです。
 
さらにスゴいのが、この作品は“ハロウィン”と“クリスマス”という
年に2回のイベントを跨いでいるので、毎年リバイバル的に売れる。
まさに理想のマーチャンダイズモデルです。
 
逆に日本の映画業界では、「グッズはパンフレットと缶バッジ」みたいな感じで
軽視されがちですが、これは本当にもったいない。