あの時はほんの出来心やったんや…
お前らも中坊の時なんか先生にあだ名つけるなんて定番やったやろ？ワイもそのノリで先生にあだ名をつけようとしてたんや…しかしなかなかいいあだ名が思い浮かばなくてな。
そこでや、その先生の名前をTwitterで調べてみることにしたんや…そしたらその先生が10年以上前に呟いたものらしきツイートが出てきてな…それをあだ名にしてワイを含め四名ほどで呼んでたんや…
でもな、先生はそれを知ってたみたいなんや。ある日、ワイだけ放課後に別室に呼ばれたんや…その時点でなんのことかある程度察しはついてたで。そしたらやっぱあだ名の件でな。その時はもうやめてねくらいでちょっと注意されたくらいやったんやがワイはこんなんで諦めんかったで。
反省するどころかTwitterでその先生の偽アカウントを作っていろいろ呟いてしもうたんや…「こんなんやったらウケるやろなぁ…」くらいしか思っとらんかったんや当時は。でもワイは後々になってことの重大さに気付かされたんやで…
忘れもしない3月3日。その日は季節外れの陽気に包まれて、換気のために開放された窓からは時折梅の花の爽やかな薫風が運ばれてきていた。春の日の窓際でワイは校庭を見つめて穏やかな気持ちになっとんたんやが、それも束の間だった。「◯◯、ちょっといいか？」ワイは主任の先生に声をかけられて後ろを振り返ると、そこには今まで見たことないくらいに怒りを露わにした先生が立ってたんや。ちな、その先生はワイらがあだ名で呼んでた先生な。ワイはこん時全てを察したで。「あ、終わった」てな。渋々先生の後をついて行くと、そこは生徒指導室やった。扉を開けた先には、校長、教頭をはじめとしたヤバめなメンツが勢揃いやったで。もちろんワイはボロボロに説教された挙句、「今回のことは犯罪だ。看過できん。」とか言われて学校に行けなくなってしもうたんや…中学校は退学とかないとか思っとったら、私立は退学あったんやな。知らんかったで。