歩道橋に咲く
パステルカラーの傘は
心の奥の
深いところで
降りしきる秋雨をしのいで
ひっそりと耐える
命の色
その輝き
だから
こんな昼下がりは
思い切りビビッドな色の
傘を買いに
小雨なら気にせず
雨に濡れて
歩道橋の向こうに
その向こうに
足を伸ばす
その勇気が
冷蔵庫の棚の
冷えたビールなんかじゃ
冷ましきれないほど
熱く湧く
消えない手首のラクガキを
足首のイタズラあとを
隠さずに
さあ
出かけよう
乾かないタオルの匂いと
ミケのちゅーるの匂い
その時は来る
明日のそのまた先の
その次くらいに

ジュリアナ農協「アンニュイのリベンジ」