諸氏よ、社畜諸氏よ、
想像力が継続的な事業に必須の条件であることは、ここ数日の話で分かったと思う。
ではそれだけでよいのか。

グラミン銀行の話を続けてきた。
はっきり言っておくが、グラミン銀行とて企業であり、企業である以上は利益を出している。
慈善をやっているわけではなく、創業者のムハマド・ユヌスは、
ノーベル経済学賞をとった学者の肩書を持ってはいるが、彼はまず第一に経営者である。

あらゆる企業がそうであるように、グラミン銀行が提示するサービスを顧客はお金を払って利用している。
顧客はみなおそろしく貧しく、ものすごく意地が悪い見方をすれば、
「貧困ビジネス」だと陰口をたたかれかねないし、実際にたたかれることもなくはない。

しかし諸氏よ、グラミン銀行は利益を追求するが、しすぎない。
「しすぎない」というところが重要であり、なぜしすぎないのかと言えば、
それはムハマド・ユヌスがグラミン銀行を構想した当初の
「バングラディシュという貧しい国を、女性の力を起爆剤に根本から変える」という初期衝動に忠実に、
しかも情熱をもってあたってきたからだ。