俺は観光という行為が嫌いだ
自分が観光客という身分になるのがイヤだ
何様かと思ってしまう
身の置き所がない

それでも付き合いで行かねばならないこともある
そんな時は普段着で出かける
荷物なんか持たない
路地裏を好んで歩き、風景ではなく土地の人を眺める

そうした何気ない、でも非日常の見聞の中で
自分の心が何にどう動いたかというのが
いくつか記憶に残ることがある
俺にとって観光はその程度のものでいい