5/16日、日本鯖で迎えたアプデ。
ほとんどの職が大幅なナーフの憂き目に遭った。
スレに響くユーザーのため息、どこからか聞こえる「今年でサービス終了だな」の声
無言で引退し始めるギルメン達の中、VKは独り街の中で泣いていた
対人で手にした栄光、喜び、感動、そして何より信頼できるギルメン・・・
それを今の環境で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうしたらいいの・・・」VKは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、VKははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、ハイデルの冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、装備の投げ売りをしなくちゃ」VKは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、VKはふと気付いた

「あれ・・・?人がいる・・・?」
ベンチから飛び出したVKが目にしたのは、ハイデルの奥まで埋め尽くさんばかりの冒険者達だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにレアアイテムをゲットする声が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするVKの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「VK、ガード練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったVKは目を疑った
「レ…RGさん?」 「なんだ居眠りでもしてたのか?」
「ダ…DKさん?」 「なんだVK、かってにDKさんを引退させやがって」
「WRさん・・・」 VKは半分パニックになりながら仕様変更一覧に目を通した

運営「皆様のご意見を真摯に受け止め、仕様を4月時点にロールバックいたしました」

暫時、唖然としていたVKだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつなかった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
GA先輩からランスを受け取り、戦場へ全力疾走するVK、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっているVKが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った