２階建ての古いアパートの一室で殺人事件が発生しました
単身者向けの部屋が６部屋あるだけの小さな建物で、現場となったのは1階の102号室
捜査の結果、被害者はこの部屋の住人の元暴力団員で現在は職業不詳の３０代の男性
死亡推定時刻は前日の正午から午後３時までの約３時間と判明
そこで警察は現在空室の203号室を除くアパートの住人４人に聞き込みを開始
この４人はそれぞれが一人暮らしで、現場となった102号室の隣の101号室に住むのは、音大の女子大生、反対側の103号室には夜勤のバイトで生計を立てている役者志望の若い男性
さらに２階の201号室に住むのは50代の独身男性、現場の真上の部屋の202号室には生まれつき耳の聞こえない聴覚障害者の男性が住んでいる
事件は平日の昼間に起きているにもかかわらず、その時間は４人とも部屋にいたと言う
その時間の事を現場両隣の２人に尋ねると音大生は自ら弾くピアノの音をヘッドフォンで聞きながらピアノの練習をしていたという。本来楽器不可の物件の為、音には気をつけていたらしい
役者志望のフリーターは夜の勤務に備えて眠っていたとの事、眠れる時は深く眠る質で熟睡していたとの事だった
２階の２人にも尋ねたが50代の独身会社員は仕事の休みが平日でたまたま昨日はその休日であったが、事件の時間帯も出かける事もなくゴロゴロ過ごしていたとの事
聴覚障害の男性は現在失業中で現在は毎日部屋にいるとの事だった、事件の時間帯も部屋にいたが特に何か気づく事は無かったという
事件の時間帯に何か物音などを聞かなかったかと尋ねると全員が「特に何も聞こえませんでした」 と答えた

刑事A「これといった証言は得られませんでしたね、せっかく事件の時間にみんな部屋に居たっていうのに」
刑事B「いや、もしかしたら同じアパートの住人に犯人がいるかもな」
刑事A「ええっ？」

刑事Bが怪しいと睨んだのは誰か？