増田氏は局長会に活動を改めるよう求めたり、過去の採用試験の結果を調べたりする考えはないと説明した。
 増田氏は、かんぽ生命の不正販売問題で前社長が引責辞任したことを受け、20年1月に就任し、「社内の常識が世間の非常識になっていないか。よく検証して前に進んでいく姿勢が大事だ」と発言していた。
 昨年10月の記者会見では、局長採用の在り方について「制度として局長会の推薦は取っていないが、実質的に機能するように、すっきりした形にしなければいけない」と、見直しに前向きな姿勢を示していた。
 記者は「発言が後退していないか」と質問したが、増田氏は「考え方は変わっていない」と強調した。
 郵政グループの内部からは「増田氏は政権と太いパイプがある局長会の意向を忖度(そんたく)し、身動きが取れなくなっているのでは」と、いぶかる声が聞かれる。公的サービスを担う会社のトップとして、局長の採用を政治活動に利用されている現状を本当に黙認するのだろうか。 (宮崎拓朗、金沢皓介)