「うん」

腕を伸ばした 背中を見て
そっと 目線を下ろした

握ったことばが てのひらからこぼれ
なんだったか 忘れていくのを感じた

人は 何かをどこかで 果てしなく見たとき
何故か わからないことを してしまういきもの

どうして?
乾いた目が まるで天使のように
黙って笑って やりすごした と 詰られて
青い空から 始まった言葉が 
今も色褪せず 夏のように
ソフトクリームを もう一度食べたいな
季節はずれだと 笑われても

とにかく 胸に抱かれて 自転車で走った
あの頃の気持ちに 戻りたいから

そうすれば 君にも わかってくれるかな?
本当は同じように もどかしいから

胸が 大きく息を吸うことを
求めるくらいに 思い返すだけでも
あのとき どうやって 切り抜けたんだろう
きっと 見えない 何かに支えられて

かたく守っている 何かを許されて
君も僕も誰かも 生きていると
信じて 揺られて