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<地下鉄と市長選>夢の痕跡 ホームに残る
http://www.kahoku.co.jp/special/spe1187/20170715_03.html

<50メートルの「無駄」>
南北線の全17駅のホームは長さが130メートルある。
これに対し列車は全国の地下鉄で最短レベル、4両編成の83.5メートルにすぎない。
差し引き約50メートルの「無駄」は、6両への拡張を想定したさまざまな夢の痕跡だ。
市交通計画委員会が1972年に公表した「高速鉄道網」。
総延長45キロの構想に含まれた7.9キロの「名取線」は、現在の太白区長町南から同区柳生を経て名取市名取が丘につながるルートが描かれた。
一方、宮城県も同年策定の長期総合計画に「南北線を含む古川−岩沼間の高速鉄道」を盛り込んだ。
国道4号沿いの古川市(現大崎市)、大和町、泉市(現仙台市泉区)、仙台市、岩沼市を結ぶ新線計画で、
「このうち仙台を中心とした約13キロは地下鉄南北線として建設する」と明記した。

<市県の間に溝>
しかし延伸は、92年の泉中央−八乙女の仙台市域内にとどまった。
市と県が夢見た南北延伸はなぜ実現しなかったのか。
旧泉、仙台の両市議も務めた小野隆・元県議は「少子化で需要増が見込めなくなったことや、
経済成長の鈍化による財政事情悪化などの要因もあるが、市と県が協力関係を築けなかったことが大きいのではないか」と指摘する。
90年代に一時、仙台空港への南北線延伸が検討された。
積極姿勢だった市に対し、県は計画の容易さなどからJR東北線名取駅から分岐させる案を選択。
県が主要株主の第三セクターとJRが運営する「仙台空港アクセス線」として07年に開通した。