「皆、心を一つにして聞きなさい。これが私の最後の言葉です。
亡き獅子帝がゴールデンバウム朝の門閥貴族どもを滅ぼし、新しい王朝を開いてから、
お前たちの階級は上がり、給料もずいぶん増えました。

お前たちはかつてゴールデンバウム朝のもとでどう扱われていましたか?
犬のように召し使われていたではないですか!
しかし今は無駄な戦へ行って無意味に戦死することもなく、
よい暮らしができるようになりました。

すべてこれ、亡き獅子帝の御恩。
その御恩は、海よりも深く山よりも高いのです。

今、逆臣の反逆によって、帝国の運命は風前の灯火のようになりました。

今こそ獅子帝へのご恩を返す時。

名を惜しむ者は、逆賊を討ち取り、二代にわたる皇帝の恩に報いよ。
ただしビッテンフェルトたちにつこうという者があれば、それは構いません。
早く行きなさい」

ヒルダのこの演説に、集まっていた軍人たちは、おおおと胸を打たれました。