ミステリーの場合は、いちおう日常の世界を舞台にした人間ドラマだからね、
特別な知識や、日常からかけ離れた舞台を想像する必要がない

一方、SFの場合は、物語の舞台が日常からかけ離れた未来や宇宙だったり、
小説の文体自体が、見たことのないような機械や状況を次々と説明していくという
特異なものであるため、読みなれない人には、なかなかイメージが追いついて
いけないという問題点がある

  宇宙ステーションの軸部分が、ドッキング・アームをひろげて、泳ぐように
 近づいてきた。ステーション本体とはちがい、その部分は回転していない――
 というより、本体の回転とちょうど同じ速度で逆まわりしている。そのおかげで、
 訪れる宇宙機はさんざんにふりまわされることもなくドッキングでき、人員や
 積荷の入れ替えが円滑におこなわれるわけである。
                                   2001年宇宙の旅 より

なーんて文章を、科学にはとくに興味のない人間に読ませても、「だからなに?」
ってなるんじゃないかな
あるいは、数学か物理の文章問題を読まされているみたいで、きっと頭に入って
いかないのだろうと思う