時は2018年、つるべ打ちに新兵器をくり出す異形かつ非情な独裁者に世界は震撼する。これに抗すべく不産業者で、虚言癖のある第45代合衆国大統領ロベルト・トルムはある秘策をもって直接会談にのぞむ。
一方深宇宙観測衛星ヒポポタマスはアルファケンタウリから謎の巨大飛翔体が地球に襲来することを発見するが…

ディック初期の知らざれぬ中編、はっきり言って失敗作、太っちょで冷酷な独裁者なんてディックにしては、ステロタイプ過ぎる。虚言癖のある元不動産屋の大統領もキャラとしてはなかなかの立ち位置だがストーリーに直接寄与しているとはいいがたい。
ただ、現実世界と限りなく近いがピースがどこかちぐはぐな世界、その世界が外的なショックによって崩れていく、その疾走感はやっぱりディック、終盤の投げやりなストーリー展開も何となくゆるせるんだな。
やっぱりディックはいい!!