「高祖母さま、フレデリカ・グリーンヒル・ヤンの葬儀には妹を行かせることに致しましたが、それで宜しいでしょうか?」
「良いでしょう、ジークフリート…しかし、これでもうあの頃を覚えている者は私しかいなくなりましたねぇ…」

そう言うと、ヒルダはじっと目を瞑って溜め息をついた
遠いあの戦いの日々、今では伝説となった獅子帝の時代に思いを馳せているのであろうか
年を取っても美しさを失わぬ高祖母の顔を見つめていたジークフリート2世は、
しばらくすると礼をしてその場を後にした

彼が52歳の息子ラインハルトに譲位したのは、この翌年のことである