当時、ほぼ同時期にデスハンターを書いていた。ウルフガイ(1970〜)の原作も書いていた。(すげえな……)
それらは「主人公が去って行く」というかたちで終わる。
8マンも去った。エリートの竜太郎も去った。これは偶然なのか。
……デスハンターも「去る」ラストシーンで締めたかたちだが、しばらく前にでた「日本SF傑作選4」に掲載のデスハンター原作では異なる描写であったため、少なからず疑惑を持っている。
「去るシーン」が平井和正が用意したものかどうか、という疑惑だ。
私はタイガーが去るシーンが用意されたと推測したのだが……デスハンターの例もあるので迷いがないではない。

たぶん……、タイガーは去る。そして再来を予感させて物語は終わる。そういう構想だったと推測する。
幻魔の正体は、むろん私の想像でしかない。
それも、1971年頃の平井和正が結論を出すとしたら、という限定された範囲の想像である。
ただ、彼の創作にきちんと「流れ」が存在していることが、年表的に解析していくと、なんとなく確認できるのではないか。
この推論のヒントは同時期のデスハンターであり、リープで描かれた「生命の末」のふたつだ。ここに辿り着くのにそれほど難しいことではない。