ヒトの人工授精は、日本でも1948年には既に実施されてる
しかし、そもそも人工授精はヒトの場合、本来は夫婦間の不妊治療として提供されるのが一般的であり、
セックス抜きで妊娠したいとか、夫はいらいないが子供は欲しいとかの、
女性側の要望を叶える目的で行う発想が当時から一般にも小松左京にもあったかどうかは疑問

また、残された約1万の中に女性16人(原作)という極端な男女比率で、人類の存続がかかる状況では、
人工授精の選択はむしろ、自然交配を排した家畜の計画繁殖のごとき様相がより強まってしまう
女性の精神面に配慮できるにかわりに、異性との性交渉の微小な可能性すらも奪い禁じることにもなるため、
大多数を占める男性の不満が暴発する可能性も高くなり、女性だけでなく共同体存続にも危険が増大するだろうな
その選択肢は「復活の日」の人類の存続に対し危険なのだ

仮に、小松左京が人工授精の導入を検討したとしても、女性の取り合いで分裂して殺し合い瓦解するような
ありがちな展開にリアリティが傾き、そちらを書かねばならなくなる方向性は選ばないんじゃないかね
体外受精&人工子宮にまで手を伸ばせば話は違ってくるかもしれないが、時代設定的に却下だろう