「人質をとったつもりだろうが、きさまら叛徒と帝国軍人を同一視するなよ。司令官閣下は死よりも
不名誉を恐れる方だ。きさまの生命を守る盾などないのだぞ!」
「司令官閣下は、過大評価されるのが迷惑そうだぜ」
 嘲笑したシェーンコップは、彼の周囲を固めた四人の部下のひとりに目配せした。その部下は、
帝国軍の軍服の下から、掌《てのひら》に載る大きさの円盤状の物体を取り出した。これも
セラミック製である。
「わかるな? ゼッフル粒子の発生装置だ」
 シェーンコップが言うと、広い室内に電流が走ったようだった。