青の零号 @BitingAngle
亡くなった後の神格化ともいえる扱いは早川書房が仕掛けた「伊藤計劃以後」という言説が大きいと思います。
本人の死去とこの旗印をきっかけにそれまではなかった「伊藤計劃以前」と「以後」という謎の区切りができて、
その存在がターニングポイントだったように語られるSF史観が生まれてしまった。

長谷敏司 @hose_s
当時の日本SFに関わったひとりとして、オーラルヒストリーを多少なりと残したほうがよさそう。
「伊藤計劃以後」という言葉は、主に早川書房さんに関わる関係者の衝撃が深すぎたことに起因すると思います。
当時の複数のSF関係者には、大きなトラウマとして刻まれていることを、実際に感じました。

すくなくとも自分は、2009年という年に、誰もが伊藤計劃氏の早すぎる死と『ハーモニー』の話をしているような空気を
体験していて、「10年後にもSF読者さんは伊藤計劃の話ばかりしているのではないだろうか?」と、
そらおそろしい思いがしていました。現役の作家として危機感も覚えました。

宮内悠介 @chocolatechnica
伊藤計劃以後っていう言葉、SFの間口を広げるとか伊藤計劃の名を残すとか、いろいろな功績が
あったとは思うんだけど、「その裏で心を殺された新人がいましたよ」くらいは言ってもいいよね?

北野勇作 @kitanoyu100
新人だけじゃないですね。あれでひとまとめに廃品扱いされた作家も。

田中啓文 @ikafue
そうだよ……あれはほんと傷ついた。よく飲みにいって、どうせわしら「以前」やもんな……て言うてたよな。「冬の時代のやつら」みたいにも言われたし。

北野勇作 @kitanoyu100
「SFの賞がなかった冬の時代にホラーやらファンタジーの賞に無理やりSFを送って出てきたやつら」やのにな。
ほんま、なめられたもんやで。

宮内悠介 @chocolatechnica
世代間の断絶を生み出したとも思っています。だから北野さんがかまってくれたときは本当に嬉しかったです。