紫(パープル)はもう、何年も前から流行色ですよ。
小学生のランドセルでもよく見かけます。
むしろ、これを知らないということは、日常的に若者との接点が皆無だということが分かります。
紫色のファッションをよく扱う「peeps」というブランドが有名なところから、紫を好んで着る若者を「ピープス系女子」などと総称します。

さらに、「紫はおばあちゃんの世代の色」という感覚がある場合、ご自身の育った年代の子ども文化に影響されたか、聖徳太子の冠位十二階の最上位が紫色であることからご自身が紫色を神聖な色として特別視しているなどの個人史が考えられます。

色相環を見ると分かりますが、青-紫-赤という風に並んでいて、中間色を追加すると青-青紫-紫-赤紫-赤となります。
女性を象徴する色は時代により、または文化圏により異なりますが、「赤」および赤の彩度を落とした「ピンク(桃)」は、紫ととても近い色です。ピンク寄りの紫、紫色よりのピンク、ピンクにも見えるし、紫にも見える判別が困難な中間色もあります。
青はヴィクトリア朝のイギリスにおいては女性を象徴する色でした。青は男性色と解釈するのも時代的な背景が強く、実際のところ、青は女性が特に好んで着る色のひとつです。

「女児や若い女性は着用するファッションにピンクを好む」という感覚はむしろ日本が世界に発信した文化であり(この感覚は古代中国の桃や梅に起源があるかも知れませんから純粋に日本だけとは断定できませんが)、一部のアジアでは受け入れられたものの、今日の欧米においてもピンク色を普段着として来ている人は少数派で、むしろ下着の色という認識です。
韓国の歴史ドラマで女官の服にピンク色のチマチョゴリが出てくるのは女官の役職を視聴者に分かりやすくするためのフェイクです。これは「チャングムの誓い」の監督が認めています。朝鮮民族は白を大切にしてきました。
Instagramにおいてもピンク色の小物や、ピンクを着た白人女性の画像には#kawaiiなどの日本文化を意識したハッシュタグをわざわざ付けている人が多く、コスプレ感覚だと分かります。
実際、人種が異なると似合う色、似合う服の形も変わってきます。日本人女性は白人女性に比べて童顔なので、欧米では子ども向けとされるファッションを、日本人女性は相当期間、長く着ていることは普通です(水兵服を女児向けに着せていたイギリスのセーラー服はその最たる例のひとつでしょう)。