☆黄色い桜を探して
http://infinity.s101.xrea.com/flash/2004RW/yellowcherry.html

 偶然が運んだ謎めいた秘密の関係。
 老人の正体は? 二人の今後は?
 それが物語としてドラマチックに展開する、と思えた次の場面で、関係は突然、老人の方から断ち切られる。
 デートでの食事をいじらしく考えている場面で感情移入した自分は、そこで人の縁の理屈を飛び越えた不可思議さに主人公同様、呆然とどうしようもないやるせなさを覚える。
 その苦しく重い進行に、桜が連れた主人公の素直な着飾らない明るい心に救いを残して、物語は閉じる。

 どうしようもない余韻がこみ上げる。
 人生は一期一会だ。出会いもあれば別れもある。
 それでも、内に何時かまた出会えると希望を持つことが、心の中に黄色い桜を咲かすことではないかなあ。

 ドラマとしては未完成のように思えるプロットだが、人間らしさ、殊に二人の特殊な社会人らしい関係性を描くという点では高いレベルで成功している。
 打算やあざとさ、作為が見え隠れしない真っ直ぐな、しかし単調ではないストーリーは胸を打つ力強さを持っている。

 不満はキャラがAAな点。
 描く労力を省く以外、AAであるメリットを感じない。
 ましてや骨太の人間劇、現代モノ、非2ch系なら、猶更ファンタジーでアングラなAAとは相性が悪い。
 確かにこれもこれで味がある。
 が、これに相応しい演出、表現方法で描かれていたらと惜しさがひたすら残る。
 繰り返すが脚本は本当に素晴らしいだけに。