individual の訳語としては、「もの」が使われることが
ままある。馬場あき子『鬼の研究』によれば、「鬼」
には「もの」の訓があるという。意味としては「物
狂おしい」「もののけ」の「もの」に相当する。
そんなわけで、自然言語処理の研究者の間では、「仮にこっちの
“もの”を『白うるり』とします。で、こっちの“もの”を
『ももんがぁ』とします」「その場合、二つの存在の関係と
『ひょうすべ』と『ぬらりひょん』の関係が相同であるとすると、
その意味の差を求めるためには、どの程度の計算量が見込まれるか、
という話になりますよね?」みたいな議論が真顔で行われる、
ということになる。