「わたしにとって数学は、いつも人間性を学ぶ最も優れた学校だった。数学のヒマラヤとでもいった
 非常な難問があるからこそ、数学は尊いのだ。このような問題の頂に立つのは非常に難しいし代償
 を払わねばならない場合もある。しかし頂にたどり着けばすばらしい眺めが開けるのは確かなのだ。」

「数学における実在は、空間にも時にも位置づけることができない。それだけに、ほんのちっぽけでは
 あっても、その実在を運良く発見できたときには、時空を超えた途方もない喜びがもたらされる。」

「わたしの最初の師ギュスターヴ・ショケー氏によれば、有名な未解決問題に向き合う人間はなにより
 もまず自分の名前が失敗と結びついて記憶される危険を冒すことになる。だがわたしは、ある年齢に
 達したときに、寿命がつきるのを『安全』に待っているのも、同じくらい自滅的な選択肢だということに気づいた。」

                                         ─── アラン・コンヌ