このコードの一部 `if (r < l) return;` について説明します。

ここで `l` と `r` はそれぞれまだ追加できる '(' の数と ')' の数を表しています。なので、このチェック `if (r < l) return;` は、')' の数が '(' の数より少なくなる場合、すなわち、開き括弧より閉じ括弧が少なくなる場合を防いでいます。

正しい括弧の列を生成するためには、2つの重要なルールを守らなければなりません:

1. 左括弧と右括弧の数が等しいこと
2. 任意の時点で、右括弧の数が左括弧の数を超えないこと

1つ目のルールは、左括弧と右括弧を同数だけ生成すれば満たされます。しかし、2つ目のルールはもう少し注意が必要です。それは、どの時点でも、閉じ括弧の数が開き括弧の数を超えてはならないからです。これを超えてしまうと、括弧の列が無効になってしまいます。

例えば、"())(" のような列は、開き括弧と閉じ括弧の数は同じでも、2番目の閉じ括弧が開き括弧を超えているため、無効な括弧の列となります。

だからこそ、`if (r < l) return;` のチェックが必要なのです。これにより、閉じ括弧の数が開き括弧を超えるような状況を防いでいます。これは、まだ追加できる閉じ括弧の数 `r` が、開き括弧 `l` より少なくなる場合、すなわち、閉じ括弧が開き括弧を超える可能性がある場合に、そのパスをすぐに終了させることで実現されています。