>>427
クロージャの引数は、毎回変わるのだから常に何をしても自由であり、引数を消費してしまおうが、可変参照があって参照先を書き換えようが自由。
クロージャで制限がありうるのはキャプチャした値のみ。

Fnはキャプチャした値がある時に、それを読み取り参照しようが自由だが、書き換えたり消費したりはできないという意味。
FnMutはキャプチャした値を読み取り参照しようが書き換えようが自由だが、消費してはいけないという意味。
FnOnceはキャプチャした値を消費しようが書き換えようが参照しようが自由という意味。
キャプチャ値を消費をしてもしなくても自由ということは、2回以上の実行は不可で、そのクロージャの実行は1回だけという意味、だからFnOnceという名前。

トレイト間の関係は「Fn: FnMut」かつ「FnMut: FnOnce」、つまりFnOnceは他の最上位のスーパートレイト。
集合で見ると、FnOnce⊃FnMut⊃Fnとなり、Fnが最も制限がきつくて集合としては小さい。
蛇足だが、fnはさらに制限がきつくて読み取り参照キャプチャすら許容されないから、Fn⊃(safeなfnの集合)となって、safeなfnは任意のクロージャの位置で代わりに使える。

例えば、LazyLock::new(f: F)のような、1回しか指定クロージャが実行されない高階関数では、最も緩いFnOnceでトレイト境界「F: FnOnce」を指定できる。
逆に何度もクロージャが実行されるIterator::fold(init, f: F )では、初期値initは消費されるが、fがキャプチャした値が消費されては困るためFnOnceではダメで「F: FnMut」となり、fの引数二つは毎回消費できる。